文学その4

『青空文庫』にある作品を『Google Translate』で英訳してみました。

明暗:夏目 漱石(10122-10167)/11494

先刻まで疎らに眺められた雨の糸が急に数を揃えて、見渡す限の空間を一度に充たして来る様子が、比較的展望に便利な汽車の窓から見ると、一層|凄まじく感ぜられた。 From the window of the train, which is relatively easy to see, it is even more treme…

明暗:夏目 漱石(10057-10121)/11494

「いや行く。 "No. でないと何だか気がすまないから」 Otherwise, I'm sorry. " 「勝手にしろ。 "Have it your way. しかし僕はいないよ、来ても。 But I'm not there, even if I come. 明日から旅行するんだから」 I'm traveling from tomorrow. " 「旅行?…

明暗:夏目 漱石(9994-10056)/11494

外観上の落ちつきを比較的平気そうに保っていた彼の裏側には、役にも立たない機智の作用が、はげしく往来した。 彼 Useless wisdom was rushing in and out of his back, who kept his calm appearance relatively calm. けれどもその混雑はただの混雑に終る…

明暗:夏目 漱石(9932-9993)/11494

「読んだか」 "Did you read?" 「うん」 "Yup" 「どうだ」 "How is it?" 津田は何とも答えなかった。 Tsuda did not answer anything. しかし一応相手の主意を確かめて見る必要を感じた。 However, I felt it necessary to check the intention of the other…

明暗:夏目 漱石(9884-9931)/11494

こういう事が繰り返されて見ると、僕は何しにここへ来たんだか、まるで訳が解らなくなるだけです。 見 る If you look at these things repeatedly, I just don't understand why I came here. 僕は変に考えさせられるのです。 I can make you think strange…

明暗:夏目 漱石(9835-9883)/11494

「おやないぞ。 "I don't know. 変だな」 that's strange" 彼は左胸部にある表隠袋へ再び右の手を突き込んだ。 He again put his right hand in the front cover bag on the left chest. しかしそこから彼の撮み出したものは皺だらけになった薄汚ない手帛だ…

明暗:夏目 漱石(9779-9834)/11494

――君今日持って帰らなかったのか」 -Did you not bring it today? " 「もう少し待ってくれっていうから置いて来た」 "I'll leave you to wait a little longer." 「馬鹿だな、君は。 "You're stupid, you. しまいにロハで捲き上げられてしまうだけだぜ」 I j…

明暗:夏目 漱石(9714-9778)/11494

自分から小林、小林からこの青年、と順々に眼を移して行くうちには、階級なり、思想なり、職業なり、服装なり、種々な点においてずいぶんな距離があった。 As I turned my eyes from Kobayashi to Kobayashi and this young man one after another, there wa…

明暗:夏目 漱石(9649-9713)/11494

だから黙ってそれを受け取った君は、口でむちゃくちゃに余裕をぶちのめしながら、その実余裕の前にもう頭を下げているんだ。 So when you receive it silently, you're bowing down your mouth, and bowing before you can afford it. 矛盾じゃないか」 Isn'…

明暗:夏目 漱石(9570-9648)/11494

「いったいあの顛末はどうしたのかね。 "What exactly happened? 僕は詳しい事を聴かなかったし、君も話さなかった、のじゃない、僕が忘れちまったのか。 I didn't listen to the details and didn't tell you, didn't I forget? そりゃどうでも構わないが、…

明暗:夏目 漱石(9495-9569)/11494

野人だから芸者と貴婦人との区別が解らないんだ。 I'm a wild man, so I can't tell the difference between a geisha and a lady. それで僕は君に訊いたね、いったい芸者と貴婦人とはどこがどう違うんだって」 So I asked you, what is the difference betw…

明暗:夏目 漱石(9430-9494)/11494

しかし説明だけはしてやろう。 But I'll just explain. 今に君がそこへ追いつめられて、どうする事もできなくなった時に、僕の言葉を思い出すんだ。 I remember my words when you were caught up there and couldn't do anything. 思い出すけれども、ちっと…

明暗:夏目 漱石(9369-9429)/11494

小林はたしかに彼よりずうずうしく出来上っていた。 Kobayashi was surely better made than him. 百五十八 One hundred and fifty-eight しかし小林の説法にはまだ後があった。 But Kobayashi's preaching was still behind. 津田の様子を見澄ました彼は突…

明暗:夏目 漱石(9302-9368)/11494

「ありがとう」 "Thank you" 「いや嘘じゃないよ。 "No, not a lie. 現にこの間もお延にその訳をよく云って聴かせたくらいだもの」 In fact, during this time, I just told him the reason. " 胡散臭いなという眼が小林の眉の下で輝やいた。 眼 Eyes that s…

明暗:夏目 漱石(9227-9301)/11494

小林は気がついたように四辺を見廻した。 Kobayashi looked around the four sides as he noticed. 「うん。 "Yup. ここには探偵はいないようだね」 There seems to be no detective here. '' 「その代り美くしい人がいるだろう」 "There will be beautiful …

明暗:夏目 漱石(9179-9226)/11494

のみならず小林は真面にこっちを向いていなかった。 Not only did Kobayashi turn away from this. 彼は津田のまだ見知らない青年と立談をしていた。 He was in talks with a young stranger in Tsuda. 青年の顔は三分の二ほど、小林のは三分の一ほど、津田…

明暗:夏目 漱石(9127-9178)/11494

苦笑したお延はまだ黙らなかった。 延 Nobu, who smiled bitterly, didn't shut up yet. 「いいから、今に見ていらっしゃい」 "Okay, please watch now" 「何を」と訊き返した津田は少し驚ろかされた。 Tsuda was a little surprised when asked what he was…

明暗:夏目 漱石(9063-9126)/11494

「今度はお前の拵えてくれた※袍で助かったよ。 "This time, the gloves you prepared for me were saved. 綿が新らしいせいか大変着心地が好いね」 I feel very comfortable because the cotton is new. '' お延は笑いながら夫を冷嘲した。 Onno laughed and…

明暗:夏目 漱石(9000-9062)/11494

まず最初に自分の手の届く所からだんだんに食い込んで行こうというんだ。 First of all, let's go into it gradually from within reach. だから一番災難なのはこのおれだよ。 That's why I am the worst. どう考えてもここでおれ相当の親切を見せて、あいつ…

明暗:夏目 漱石(8958-8999)/11494

百五十二 One hundred fifty two 後は話が存外楽に進行したので、ほどなく第二の妥協が成立した。 After that, the story progressed very easily, and the second compromise was soon established. 小林に対する友誼を満足させるため、かつはいったん約束…

明暗:夏目 漱石(8874-8957)/11494

「じゃいつごろその温泉へいらっしゃるの」 "When do you come to that hot spring?" 「ここを出たらすぐ行こうよ。 "Let's go as soon as we get out of here. 身体のためにもその方が都合がよさそうだから」 It seems more convenient for the body. '' 「…

明暗:夏目 漱石(8826-8873)/11494

女だと見下ろしながら、底気味の悪い思いをしなければならない場合が、日ごとに現前した。 Every day, when I have to look down on her as a woman, she has to feel terrible. それは彼女の直覚であるか、または直覚の活作用とも見傚される彼女の機略であ…

明暗:夏目 漱石(8752-8825)/11494

「気の毒だとも可哀相だとも思って下さらないんです」 "I don't feel sorry or poor." 「気の毒だとも、可哀相だとも……」 "I'm sorry or poor ..." これだけ繰り返した津田はいったん塞えた。 津 Tsuda who repeated just this was once closed. その後で継…

明暗:夏目 漱石(8689-8751)/11494

あとの言葉は、啜り上げる声の間から、句をなさずに、途切れ途切れに、毀れ物のような形で出て来た。 The latter words came out of the screaming voice, without a phrase, intermittently, in a form of damage. 「いくらあたしが、……わがままだって、………

明暗:夏目 漱石(8620-8688)/11494

彼女は前後の関係から、思量分別の許す限り、全身を挙げてそこへ拘泥らなければならなかった。 She had to stick up with her whole body, as long as she could reasonably discriminate, from the context. それが彼女の自然であった。 That was her natur…

明暗:夏目 漱石(8565-8619)/11494

「あたしは奥さんが電車に乗っていらしった事までちゃんと知ってるのよ」 "I know exactly how his wife got on the train." 津田はまた驚ろいた。 Tsuda was surprised again. ことによると自動車が大通りに待っていたのかも知れないと思っただけで、彼は夫…

明暗:夏目 漱石(8486-8564)/11494

せっかく来たんだから」 I came here all the time. '' 「お前はそれを聴きに来たのかい」 "Did you come to listen to it?" 「ええ」 "Yes" 「わざわざ?」 "Are you bother?" 「ええ」 "Yes" お延はどこまで行っても動かなかった。 Nobu didn't move anywh…

明暗:夏目 漱石(8402-8485)/11494

「でも毎日女の方ばかりいらっしゃいますね。 "But there are always women every day. よっぽど間がいいと見えて」 It looks like it's good time. '' 彼女は小林の来た事を知らないらしかった。 She didn't know that Kobayashi had come. 「昨日いらしっ…

明暗:夏目 漱石(8352-8401)/11494

彼女はコートを脱ぐなりまずそこへ坐って手を翳した。 As she took off her coat, she sat there and clasped her hands. しかし彼女にはほとんど一分の休憩時間も与えられなかった。 But she had almost no one minute break. 坐るや否や彼女はお時の手から…

明暗:夏目 漱石(8308-8351)/11494

彼女がこの曲り角へかかった時、北から来た一台の電車がちょうど彼女の前、方角から云えば少し筋違の所でとまった。 When she got to this turn, a train from the north just stopped right in front of her, a bit far from the direction. 何気なく首を上…