文学その4

『青空文庫』にある作品を『Google Translate』で英訳してみました。

彼岸過迄:夏目 漱石(3423-3460)/4724

叔父は一番高い坂の角まで来てとまった。 My uncle came to the corner of the highest slope and stopped. 二十一 Twenty one 彼は突然彼の体格に相応した大きな声を出して姉妹を呼んだ。 He suddenly called his sister with a loud voice commensurate wi…

彼岸過迄:夏目 漱石(3378-3422)/4724

吾一もすやすや寝入った。 Goichi fell asleep easily. ただ僕だけは開いている眼をわざと閉じて、更けるまでいろいろな事を考えた。 However, I intentionally closed my open eyes and thought about various things until I got rid of them. 二十 twenty…

彼岸過迄:夏目 漱石(3337-3377)/4724

十九 Nineteen その晩は叔父と従弟を待ち合わした上に、僕ら母子が新たに食卓に加わったので、食事の時間がいつもより、だいぶ後れたばかりでなく、私かに恐れた通りはなはだしい混雑の中に箸と茶椀の動く光景を見せられた。 We met my uncle and cousin tha…

彼岸過迄:夏目 漱石(3295-3336)/4724

けれども僕は坐っている席を動かなかった。 But I didn't move the seat I was sitting in. 十八 XVIII 高木の去った後、母と叔母はしばらく彼の噂をした。 After Takagi left, my mother and aunt made rumors about him for a while. 初対面の人だけに母の…

彼岸過迄:夏目 漱石(3256-3294)/4724

十七 Seventeen 僕は男として嫉※の強い方か弱い方か自分にもよく解らない。 As a man, I do n’t know if I ’m a strong person or a weak person. 競争者のない一人息子としてむしろ大事に育てられた僕は、少なくとも家庭のうちで嫉※を起す機会を有たなかっ…

彼岸過迄:夏目 漱石(3222-3255)/4724

ただ一遍百代子から彼が適当な配偶を求めつつある由を聞いただけである。 I just heard from Ippen Hyakuyoko why he was seeking a suitable spouse. その時百代子が、御姉さんにはどうかしらと、ちょうど相談でもするように僕の顔色を見たのを覚えている。…

彼岸過迄:夏目 漱石(3171-3221)/4724

「あれ高木さんよ。 "That's Mr. Takagi. ほら秋子さんの兄さんよ。 You see, Akiko's older brother. 知ってるでしょう」 You know " 僕は知っているともいないとも答えなかった。 I didn't answer whether I knew it or not. しかし腹の中では、この高木と…

彼岸過迄:夏目 漱石(3127-3170)/4724

十四 fourteen 母は内気な性分なので平生から余り旅行を好まなかった。 My mother was shy, so I didn't like traveling very much from Hirao. 昔風に重きをおかなければ承知しない厳格な父の生きている頃は外へもそうたびたびは出られない様子であった。 W…

彼岸過迄:夏目 漱石(3083-3126)/4724

しかしそれは傍から彼を見た眼の評する言葉で、敬太郎自身はけっしてどっちとも思っていなかった。 However, it was a comment from the eyes that saw him from the side, and Keitaro himself never thought of either. したがって詩とか哲学とかいう文字…

彼岸過迄:夏目 漱石(3047-3082)/4724

けれども強いて沈黙のなかに記憶を埋める必要もないから、それを自分だけの感想に止めないでここに自白するが、一口に云うと、千代子は恐ろしい事を知らない女なのである。 However, I don't have to bury my memory in silence forcibly, so I confess it h…

彼岸過迄:夏目 漱石(3012-3046)/4724

これはなぜと聞かれても満足の行くように答弁ができないかも知れない。 No matter why this is asked, it may not be possible to give a satisfactory answer. 僕は人に説明するためにそう信じているのでないから。 I don't believe that to explain to oth…

彼岸過迄:夏目 漱石(2966-3011)/4724

「それでもよくこんな物を丹念にしまっておくね」 "Still, I often keep this kind of thing carefully." 「あたし御嫁に行く時も持ってくつもりよ」 "I'll bring it with me when I go to my bride." 僕はこの言葉を聞いて変に悲しくなった。 I was strange…

彼岸過迄:夏目 漱石(2922-2965)/4724

僕と彼らとは故のごとく笑ったり、ふざけたり、揚足の取りっくらをしたりした。 I and they laughed, played around, and flirted with each other. 要するに僕の田口で費やした時間は、騒がしいくらい陽気であった。 In short, the time I spent in Taguchi…

彼岸過迄:夏目 漱石(2877-2921)/4724

もっとも年寄の眉を曇らすのがただ情ないばかりでやめたとも云われない。 However, it is not said that he stopped because it was just merciless to cloud the eyebrows of the elderly. これほど親しい間柄でさえ今まで思い切ったところを千代子に打ち明…

彼岸過迄:夏目 漱石(2838-2876)/4724

少なくともやってもいいぐらいには考えていたのだろう。 I think I was thinking at least enough to do it. が、その後彼らの社会に占め得た地位と、彼らとは背中合せに進んで行く僕の性格が、二重に実行の便宜を奪って、ただ惚けかかった空しい義理の抜殻…

彼岸過迄:夏目 漱石(2802-2837)/4724

ただ一度……しかしこれは後で話す方が宜かろうと思う。 Only once ... but I think it's better to talk about this later. 母は自分のいう事に耳を借さなかった僕を羞恥家と解釈して、再び時期を待つもののごとくに、この問題を懐に収めた。 My mother inter…

彼岸過迄:夏目 漱石(2765-2801)/4724

そうしてその犠牲にされている母が一層気の毒になる。 Then the victimized mother becomes even more sorry. 母は昔堅気の教育を受けた婦人の常として、家名を揚げるのが子たるものの第一の務だというような考えを、何より先に抱いている。 Mother always h…

彼岸過迄:夏目 漱石(2724-2764)/4724

僕の情操はその頃から学校を卒業するまでの間に、近頃の小説に出る主人公のように、まるで荒み果てたのだろう。 From that time until I graduated from school, my emotions would have been as desolate as the main character in a recent novel. 現代の…

彼岸過迄:夏目 漱石(2693-2723)/4724

田口や松本を始め、供に立つものはみんな向の方で混雑していたので、傍には誰も見えなかった。 Taguchi, Matsumoto, and all the people who stood with me were crowded, so I couldn't see anyone by my side. 母は突然自分の坊主頭へ手を載せて、泣き腫ら…

彼岸過迄:夏目 漱石(2652-2692)/4724

細君を貰うときにもそう贅沢を云うかね」と聞いた。 I wonder if I would say that luxury when I get Hosono. " 「云えれば誰だって云うさ。 "Anyone can say that. 何も江戸っ子に限りぁしない。 Nothing is limited to Edokko. 君みたような田舎ものだっ…

彼岸過迄:夏目 漱石(2617-2651)/4724

「そうも行かないでしょう」 "I won't go that way." 「なぜ」 "why" 「なぜって聞かれると、僕にも明瞭な答はでき悪いんですが、ちょっと考えて見てもむずかしそうですね」 "When asked why, I can't give a clear answer, but it seems difficult to think…

彼岸過迄:夏目 漱石(2581-2616)/4724

御坊はこの頭蓋骨と頬骨と外に二つ三つの大きな骨を残して、「あとは綺麗に篩って持って参りましょう」と云った。 Gobo left the skull, cheekbones, and a few large bones on the outside, and said, "Let's sift them clean and bring them." 四人は各自…

彼岸過迄:夏目 漱石(2531-2580)/4724

まだ時間があるから急いで市さんに取って来て貰うと好いわ」 I still have time, so I'd like you to hurry up and get it from Mr. Ichi. " 二人の問答を後の方で冷淡に聞いていた須永は、鍵なら僕が持って来ているよと云って、冷たい重いものを袂から出し…

彼岸過迄:夏目 漱石(2483-2530)/4724

姉と妹はしばらくそこに並んで坐っていた。 My sister and sister sat side by side there for a while. 十分ばかりすると、千代子は百代の耳に口を付けて、「百代さんあなた宵子さんの死顔を見て」と聞いた。 After enough time, Chiyoko put her mouth on …

彼岸過迄:夏目 漱石(2426-2482)/4724

便所には電灯が点けてなかった。 The toilet wasn't lit. 千代子は燐寸を擦って雪洞に灯を移して、咲子といっしょに廊下を曲った。 Chiyoko rubbed Rinji and moved the light to the snow cave, and turned the corridor with Sakiko. 帰りに下女部屋を覗い…

彼岸過迄:夏目 漱石(2371-2425)/4724

「医者は……」 "The doctor is ..." 医者は時を移さず来た。 The doctor came without time. 「少し模様が変です」と云ってすぐ注射をした。 I immediately gave an injection, saying, "The pattern is a little strange." しかし何の効能もなかった。 But i…

彼岸過迄:夏目 漱石(2316-2370)/4724

松本も千代子も申し合せたように、硝子越の雨の色を眺めて、手焙に手を翳した。 As Matsumoto and Chiyoko agreed, I looked at the color of the rain over the glass and held my hand to roast. 「芭蕉があるもんだから余計音がするのね」 "Because there…

彼岸過迄:夏目 漱石(2273-2315)/4724

「本当?」 "For real?" 「まあそんなものです」 "Well, that's it." 「じゃ旗日にだけ突いて出るの」 "Then I'll just poke out on the flag day." 敬太郎は一人で二人に当っているのが少し苦しくなった。 Keitaro was a little bit painful to hit two peo…

彼岸過迄:夏目 漱石(2230-2272)/4724

しまいには、君があんまり色気があり過ぎるからだと調戯い出した。 In the end, I started to play with you because you were too sexy. 敬太郎はそのたびに「馬鹿云え」で通していたが、心の内ではいつも、須永の門前で見た後姿の女を思い出した。 Keitaro…

彼岸過迄:夏目 漱石(2187-2229)/4724

「どうだか、そんな細かい事は初めて会っただけじゃ分らないですよ。 "Well, I don't know such details just by meeting for the first time. しかしあっても無くっても、僕の君に対する待遇にはいっこう関係がないからいいじゃありませんか」 But with or …